タルト・タタン(Tarte Tatin)
タルト・タタンは、フランスでホテルを経営していたタタン姉妹が、偶然考案したお菓子です。
有名な料理やお菓子とは不思議なもので、間違った材料や火加減などで、偶然伝説的なものが生まれることがあります。
タルト・タタンもそのようにして生まれました。
仏・ソローニュ地方で「ホテル・タタン」を経営していたステファニーとカロリーヌのタタン姉妹。
ある日ステファニーは、アップルパイを作る工程でりんごを炒めすぎてしまい、全部焦げてしまうという失敗をしてしまいました。
この失敗を何とか取り戻そうとした彼女は、タルト生地に無理やりその焦げたりんごを乗せ、試しにオーブンで焼いてみました。
すると、表面がキャラメリゼされて、こんがりした部分が逆に香ばしさを出し、別メニューとして出せそうなものに仕上がりました。
こうして、「タルト・タタン」は生まれたのです。
このタルト・タタンが生まれた「ホテル・タタン」は現在も別の所有者のもとで営業しており、タタン姉妹が使ったオーブンなどを見学することが可能です。
当然そこでタルト・タタンをいただくこともできます。
使っている材料がシンプルで、見た目にもどことなくアップルパイに近いものがありますが、タルト生地を使っていることと、表面のキャラメリゼは、アップルパイと決定的に違います。
現在では日本でも徐々に知られるようになり、扱っているお店も多くなってきている一品です。