フランスとヨーロッパのお菓子ガイド

クイニー・アマン(Kouign Amann)

日本でも知名度のあるクイニー・アマンは、ブルターニュ地方で最も古いお菓子で、パンのような弾力があるのが特徴です。

クイニー・アマン

フランスではあくまで郷土菓子の一つとみなされ、フランス人でクイニ―・アマンを知らない人は実は結構いるそうです。

クイニ―・アマンは、小麦粉にバターと砂糖をたっぷり混ぜ、塩分を加えて焼きます。

通常のパン菓子よりもバターと砂糖が極端に多いのが特徴です。

このレシピは、1860年頃に誕生しました。

あるパン屋の店主、イヴ・ルネ・スコルディア氏が小麦粉が足りない時に、即興でバターを小麦粉に多く加えて焼いてみたところ、パンには程遠いものの、バターが香ばしく美味しい焼き菓子が出来上がったのです。

スコルディア氏はそれを商品化することを思いつきました。

そして、1878年に彼が他界すると、その娘夫婦がパン屋の跡を継ぎましたが、父亡きあとも定期的に注文を受ける人気商品になっていきました。

この菓子名「クイニ―・アマン」は、お菓子を意味するブルターニュ語「クイニー」と、バターを意味する「アマン」という言葉からできており、文字通り「バターのお菓子」ということです。

ブルターニュは、かつては土地の痩せた地域ですが、現在では酪農が盛んになり、バターや塩が名物として知られています。

ですから、クイニ―・アマンというお菓子は、まさにブルターニュの特産品のみで作られたお菓子なのです。

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