ガレット・デ・ロワ(Galette des Rois)
ガレット・デ・ロワは、フランスで毎年1月6日、公現節のお祝いで食べるパイで、中にアーモンドクリームが入っています。
通常はその上に紙製の王冠を乗せ、ケーキの中に「フェーヴ」と呼ばれる小さな人形を入れます。
そして切り分けた時に人形が当たった人は、その時の王様・女王様になることができ、王様は女王様を、女王様は王様を指名することができます。
ケーキ名称の「ロワ(Rois)」は「東方三博士」のことで、新約聖書に登場する3人の賢者のことをいい、公現節もキリストとこの三博士に因んだ祝祭です。
では何故、ガレット・デ・ロワに人形を忍ばせる習慣ができたのでしょうか?
一説では、古代ローマで行われていた祭典「サントゥナーリア」と、中世の時代、東仏フランシュ・コンテ地方のブザンソン教会で行われていた参事会の選挙方法とが融合したのではないか、といわれています。
サントゥナーリアでは、豆を一つ入れたケーキがふるまわれ、豆の入ったケーキが当たった人が宴の王になるという習慣がありました。
またブザンソン教会では、選挙の時にパンに金貨を隠して、くじ引きをするという習慣がありました。
ですから、古代ローマの習慣が中世のフランスで結びつき、現在は豆や金貨の代わりに人形を入れるようになって発展したようです。
ガレット・デ・ロワは、日本人には馴染みが薄いのですが、フランスでは誰もがその味を知る伝統的なケーキです。