甘味とお菓子の起源
まず洋菓子について語る前に、お菓子作りに欠かせない甘味についてお話します。
代表的な甘味は言うまでもなく砂糖であり、私たちは「お菓子=甘いもの」と考えることが殆どだと思います。
しかし、実際に西洋でサトウキビが栽培されるようになったのは14世紀頃からで、それまで砂糖というのはあまり一般的なものではありませんでした。
ここから察するとわかるように、中世初期までは西洋で甘い菓子はあまりメジャーなものではなかったのです。
洋菓子で最初に使われるようになった甘味は蜂蜜ですが、蜂蜜は非常に高価なもので、一部の身分の高い人しか口にすることができませんでした。
洋菓子というものが確立され、菓子職人という仕事が定着するようになったのは、ルネサンス期の時代です。
洋菓子の元祖は、古代エジプト(紀元前3000年~紀元前30年頃)にあるといわれています。
エジプトでは小麦製のパンが作られ、そこに果実や動物の乳から採れる甘味などを加えることがあったようで、これが転じてお菓子の原点になりました。
古代エジプトのこの文化はやがてギリシャに渡り、そこで大幅にアレンジが加えられるようになりました。
ギリシャで作られるようになったのは、卵に蜂蜜や果実を入れた、現在でもありそうな焼き菓子です。
そして、ギリシャのお菓子文化はやがて古代ローマにも伝わり、ローマ時代には菓子職人が生まれるようになりました。