チョコレートの歴史
ここで少し、洋菓子の代表的存在、チョコレートの歴史について振り返ってみようと思います。
フランス語でチョコレートは「ショコラ」といい、少なくとも私たち日本人には、「フランスのチョコは美味しい」「最高級」というイメージがあると思います。
確かにフランスには数多くのショコラティエ(チョコレート職人)がいて、より美味しいチョコレートの追及するために凌ぎを削っています。
しかし、チョコレートの原料、カカオがもたらされたのは16世紀に入ってからのことで、それまでカカオは主にスペインにしか存在しないものでした。
カカオ豆をアメリカ大陸で発見し、スペインに持ち帰ったのはコロンブスです。
そしてそれをスペイン中に広めたのは、同じスペイン人探検家のエルナン・コルテスです。
彼はアステカ文明時代よりカカオ豆に薬理作用があることを知り、スペインで広めました。
その後、フランスにカカオが伝わったのは、スペイン王家のマリア・テレサがフランス王家に嫁入りすることになった1661年のことです。
カカオは、近世に至るまで主に飲み物として親しまれていましたが、19世紀にイギリス、オランダ、スイスなどでチョコレートを「食べ物」に置き換える試みが行われた結果、現在のように食べるチョコレートが出来上がりました。
こうして私たちがチョコレートを「食べる」ようになったのは、実はここ2世紀のことなのです。